ネパール地震被災地緊急報告会に行ってきました

「ネパールに夢と希望を」被災地緊急報告会&チャリティー上映会
「ネパールに夢と希望を」被災地緊急報告会&チャリティー上映会

 

ネパール地震被災地緊急報告会に行ってきました。

この記事を書いている最中、5月25日午後に関東地方で、最大震度5弱の地震が起きました。 3.11の記憶を思い起こさせるような地震でした。 記事を書きつつ、とても他人事ではないなと感じました。

 
さて、市工ファンサイト管理人は、5月23日(土)船橋市の葛飾公民館で行われた、「ネパールに夢と希望を」被災地緊急報告会&チャリティ上映会 に参加してきました。

4月30日に 「ネパールの地震」と「市工」に関する話題 という記事を市工ファンサイトに投稿しました。

偶然この記事を読んでいただいた、前市川工業高等学校の教頭の
「菊池貞介先生」よりメールをいただきました。
(菊池先生は、現千葉県立八千代高等学校の教頭です)

「ネパールに夢と希望を」被災地緊急報告会&チャリティ上映会が開催されるということと、ネパールに関心のある方の参加を広く求めるという内容でした。

ネパールと市工との交流は、2008年まで行われていました。 
現役の市工生は、近年までこのような活動が行われていたことを知らない方が多いと思います。


メールをいただいた菊池貞介先生は、ネパールでの生徒の引率をはじめ、現地での調査活動の中心で動いていた方です。

11年たちますが、世界文化遺産の維持保存が厳しいとされ、「危機遺産」に指定された年に、生徒たちの第1回目の派遣がなされました。
調査中は、大地震によって崩壊することを想定しての取り組みでしたので、厳しい思いとなり、そして現実となってしまったことに言葉を失いました。

 
メールには、左記にあるようなことが書いてありました。
菊池先生の想いもあり、被災地緊急報告会&チャリティ上映会の告知に協力しました。

以上のような経緯もあり、管理人もこのチャリティーイベントに参加してみることにしました。

会場では、菊池先生と直接挨拶を交わしました。
 
 
 



イベントはとても濃い内容でした。
今回このイベントに出向いて「ネパールという国を知るいいきっかけ」になりました。

まず、東京情報大学教授 伊藤敏朗氏の制作・監督 
「カタプタリ~風の村の伝説~」という映画を見ました。

「カタプタリ」とは、ネパール語で「操り人形」を意味します。

妖精はいつもあなたのそばにいるのに・・・世界文化遺産が集積するカトマンズその魅力と課題を美しい映像でとらえた作品

上映前に渡された資料には、左記のような説明がありました。

見た感想は、牧歌的な「ネパールの農村の雰囲気」「美しい自然」「大らかな国民性」がよく表現された作品だと思いました。 世界遺産に指定されているカトマンズの町並みも味わいがありました。

これらの町並みが、震災によって無残に崩壊してしまったことを痛ましく思います。
ある調査では、ネパールの歴史的建築物の9割近くが、損傷を受けたと聞きました。
ネパールの世界遺産「9割が損壊」 観光への影響も



続いて行われたのは、岡本有子氏による被災地の報告です。

「2015 ネパール大震災 13日目からの人々の様子と市民活動」というタイトルで報告がありました。
現地の被害の様子が動画と写真を交え、岡本氏から伝えられました。 地域によってはどう立て直したらいいか分からないほど、壊滅的な損傷具合でした。

岡本有子氏の報告で、支援が必要なことがよく分かりました。
物的支援より金銭的な支援の方が、被災者を救済するのに役立つということを仰っていました。

東日本震災でもあったことですが、衣料などを現地へ送ったとしても置く場所もなく、届ける手段や体制も整っていないそうです。 また「被災者のニーズ」とのミスマッチもあるようです。

また、「政府」や「大きな支援団体」経由で寄付が多く集まっても、それらを被災地にうまく・平等に分配することができないというジレンマもあるそうです。 

それよりも、ネパール人の「町内会・自治会的なコミュニティ」に任せて、地区毎に必要なものを現地で調達してもらった方が、早く困っている人に支援物資が届くそうです。 その為には、現金を直接寄付する方が、現地では使い勝手がよいそうです。
震災前からネパールのコミュニティとつながりが深い支援団体経由で、信頼できるコミュニティのリーダーに直接現金を渡すことができれば、それが一番スムーズにいくらしいです。

水も食糧も住む所もない被災者が多数いるネパールでは、継続的な支援が不可欠です。
本格的な復興は、数十年単位を要すると思われます。

被災地の厳しい状況を伝えようとしている「岡本有子氏の熱意」が強く伝わってきました。


「菊池貞介先生」は、長年、市川工業高等学校で勤務・指導された教育者である一方、建築のプロ「一級建築士」としての顔をもっています。

退職後のライフワークとして、ネパールの人々に、「耐震性のある建物の必要性」を広く知ってもらい、「現地で入手しやすい資材を使い、安価に耐震性があげられる技術を開発して広く普及させたい」という意欲があるそうです。

菊池先生を囲んで
菊池先生を囲んで

ハテマロ会は、2006年4月14日に設立された民間団体です。 主に、在日ネパール人及び日本人を含む海外の方々の間に文化交流を通じて異文化理解を深める目的で活動しています。(配布資料より抜粋)

 
その活動の一歩として、「在日ネパール人青年会 ハテマロ会」との連携の強化を考えています。

ハテマロ会は、日本に在住する「ネパール人のエリート集団」といっても過言ではないと思います。 日本語もみなさん堪能です。
 
 
 
ハテマロ会のネパールへの支援方策の一つに「文化的遺産の再建、現地自民による街並みの保護・再建」が掲げられています。
「在日ネパール人青年会 ハテマロ会」には、「日本で建築を学んだ優秀な若いネパール人技術者」がいます。
きっと菊池先生等と協力して、「耐震性に優れた工法」の自国での普及に尽力してくれることでしょう。

ネパールでは、数十年に一度のサイクルで、繰り返される巨大地震があります。
先々起こるであろう地震で、今回のような悲劇を繰り返さない為に、ネパールにおける「耐震基準」の策定の手助けや、「耐震性に優れた工法の普及」は欠かせないことです。

直接的な金銭支援も必要ですが、国が自立・発展する為に技術支援こそ必要であり「真の国際支援活動」といえると思います。

「在日ネパール人青年会 ハテマロ会」と「菊池先生の今後の活動」に期待したいと思います。

ハテマロ会の支援方策
(当日配られた資料より引用)
復興において、緊急支援(テント、トタン板、医薬品、照明)に合わせて以下の中・長期的な支援方策を行っていく。

  • 浄水による飲料水の確保
  • 絵本翻訳で子供たちに笑顔を届ける
  • 文化的遺産の再建、現地自民による街並みの保護・再建

 
これらの活動に賛同される方は、是非「在日ネパール人青年会 ハテマロ会」の活動を支援して下さい。
よろしくお願い致します。

お知らせ

「ネパールに夢と希望を」 被災地緊急報告会&チャリティ上映会

【第2回】 入場無料,但し一口500円以上の募金をお願いします
・日時: 6月14日(日) 午前11時~午後3時頃まで 先着120名
・会場:社会福祉法人うぐいす会 稲毛グループホーム
千葉市稲毛区園生町
JR稲毛駅下車京成バス「京成団地行」園生小入口バス停下車

 


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